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『創作ティータイム』(同人誌)第1号「日常」

 ティールーム利用者のうち、有志のアイディアと熱意、そして原稿データを持ち寄って、2025年5月28日に『創作ティータイム』(同人誌)第1号「日常」を発行しました。発行方法は、Discord内でのPDFデータの無償配布、および、期間を限定してのセブンネットプリントへの登録です(印刷したい巻があればお好きな方法で印刷してください、のスタイル)。
 山内リリは企画者・発行者としてこの一大プロジェクトに携わりました(こういう企画をやるのは初めてでした(小声))。個人誌10巻と、合同誌40ページ分の原稿を、2か月足らずで無事に回収し、素敵な同人誌のかたちにすることができたのは、ひとえに参加者の方々のおかげです。この場をお借りして感謝を申し上げます。

●合同誌のハイライト

 「その0」(合同誌)の表紙は、山内リリのラフ案をもとに、つきみつきさんが素敵に仕上げて下さいました。
 山内リリのラフ案はこちら。

ボールペンで描かれたラフなイラスト。おそらく三人の人物がお茶会をしている場面が読み取れる。 前述の画像と同じ人物がお茶会をしている。内一人が給仕をしている。

 そして、つきみつきさんが制作して下さった素敵な表紙はこちら!(同人誌が右綴じなので、左側が表紙、右側が裏表紙です) ラフ案とは似ても似つかない美麗なイラストなのに、ラフ案の情報が確かに存在する……!! 絵が描ける人はすごいなあと、山内リリは思ったのでした。

ラフ画から描き起こされた三人がお茶会をしている場面。とても肉付けされている!

 合同誌には9名が参加して、「絵交流企画」「文字交流企画」「絵+文字交流企画」の3種類の企画を行ないました。
 「絵交流企画」は、『みんなの推しを描いてみた』です。4人の絵描きが、それぞれの推しを1名提示して、4つに区切られたテンプレートの中にそれぞれの推しを描く……という企画です。今回の同人誌のテーマは『日常』なので、服装や装飾などを日常っぽくするのもOKとしました。最終的に、4名の推しが並んだ可愛くかっこいい4ページが生まれました。絵が描ける人は……すごい!
 「文字交流企画」は、『みんなの作品を紹介してみた』です。7人の字書きが、それぞれの作品(全年齢向けで、1万字以内の文章)を提示し、各々でそれらの作品のあらすじを140字以内で書く……という企画です。本の帯っぽいあらすじ、続きが気になるあらすじ、部分ツイート風あらすじ、本文の引用を効果的に用いたあらすじ、あらすじ短歌、物語性が感じられるあらすじ、本の裏表紙に書いてありそうな王道のあらすじ。同じ作品を紹介しているのに、とても個性的な文言が勢揃いしました!
 「絵+文字交流企画」は、『創作交流会』です。テーマは『日常のティータイム』で、絵描き+字書きのペアが3組(計6名)、5000字以内の文字作品と、A5サイズ1ページ分の絵作品を制作しました。企画参加者を募った時点で、文字担当者に比して絵担当者が不足する事態が予想されたため、山内リリが自作曲の楽譜を絵と見なす(そして文字担当者が歌詞を考える)パワープレイを行なうことで、最終的には事なきを得ました。どの作品からも「日常」と「ティータイム」の味わい深さが感じられる、素敵な交流会となりました!

 巻末には「あとがき」のページを設けました。一言コメント、および、創作における座右の銘が、参加者全員分、記されています。そしてあとがきの次のページには、知る人ぞ知るあの楽曲も……!?
 なお、合同誌のデータはDiscord内(雑談掲示板のスレッド「『創作ティータイム』(同人誌)広報室」)にて配布しています。
 山内リリは、合同誌をセブンイレブンのマルチコピー機でカラー印刷し、セブンネットプリントに大いなる可能性を感じました。多人数が関わる同人誌の発行はなかなか頻繁には出来ない企画であるようにも思いますが、機会があれば是非またやってみたいなと思っております!

●個人誌のハイライト

 個人誌は「その1」から「その10」まで、合計10巻が発行されました。当ホームページのコンテンツの一部は、山内リリが発行した個人誌「その1」の内容を抜粋し、一部改変しています(『ティールームの歩み』『短歌リレー「あき」』『小説リレー「あき」』『わたしの創作論』回答例)。
 以下は山内リリが発行した「その1」の表紙です。いらすとやは、偉大である。

 個人誌のコンテンツについては、「わたしの創作論(出張版)」「教えて! あなたの創作環境」「ティータイムミュージック」「#持続可能な創作生活」「わたしならこう書く 『お野菜を買いに』」「『日常』をテーマとした何らかの創作物」の中から、参加者が自由に選んで執筆する、というスタイルを取りました。
 「わたしの創作論(出張版)」は、Discordサーバー内にある「わたしの創作論」と概ね同じ質問に答えるコーナーです。Discord版「わたしの創作論」では創作環境についても訊ねていましたが、出張版ではこの質問を分離して「教えて! あなたの創作環境」として別コンテンツにしました。
 「ティータイムミュージック」は、「日常」にまつわる執筆者オススメの音楽を紹介するコーナーです。曲のタイトル、アーティスト名や作曲者、執筆者からのコメントを自由に記述できる(ただし、自身が制作したもの以外の歌詞は記述しない)ものとしました。執筆者ごとに様々なジャンルの音楽を好んでいることが分かり、新しい楽曲に出会えました。
 「#持続可能な創作生活」は、持続可能な創作生活についての執筆者の熱い想い、執筆者が普段からしている心掛けや、これから頑張りたいこと、持続可能な創作生活のために役立ちそうな知恵などを自由に記述するコーナーです。良質な睡眠、適度な運動、水分補給など、とても大切なことが書かれています。
 「わたしならこう書く 『お野菜を買いに』」は、お題に沿って何かを作る、ワンドロ・ワンライ企画のようなコーナーです。執筆者の推しキャラ、推しCPなどが、お野菜を買いに行く一幕を表現するというもの。必要に応じて、作品の前後どちらかで、世界観の説明、登場人物の関係性などの説明をしてもよい、としました。野菜を買うという日常の一場面について、素敵な小説やエッセイがしたためられました。
 「『日常』をテーマとした何らかの創作物」は、「日常」をテーマとした何かしらの創作物を制作するコーナーです。ティールームでの作業通話中に制作した成果物、ティールームで過ごす日常についてのエッセイ、新たな日常のきっかけとなった非日常の出来事、などなど。
 10名の執筆者が思い思いのコンテンツをチョイスして執筆し、表紙や本文を個性豊かに仕上げて下さいました。個人誌のデータはDiscord内(雑談掲示板のスレッド「『創作ティータイム』(同人誌)広報室」)にて配布しています。

●『創作ティータイム』(同人誌)発行に関する報告書

 スケジュールを以下に示します。振り返ってみるとかなりタイトなスケジュールでしたが、原稿を執筆して下さった参加者の方々、合同誌の編集作業を引き受けて下さったつきみつきさん、企画の進行を見守って下さった方々……ティールームの皆様のご協力のお陰で、無事に同人誌を発行することができました。本当にありがとうございます!

日付 内容
1月28日 編集室の立ち上げ
2月14日 発行日を5月28日にすることを決定
3月17日 参加表明の〆切のアナウンス1回目
3月24日 参加表明の〆切のアナウンス2回目
3月31日 参加表明の〆切(=参加者および参加区分(個人誌・合同誌)の決定)
4月15日 第1回進捗状況共有〆切
4月30日 第2回進捗状況共有〆切
5月15日 第3回進捗状況共有〆切・合同誌の最終〆切
5月21日 個人誌の最終〆切
5月28日 『創作ティータイム』(同人誌)の発行

 備忘録として、また、同じような企画を計画している方がもしいらっしゃれば、その方の助けとなるように、工夫と課題を以下にメモしておきます。

【工夫】
・サーバー内でこういった企画を開催するのは初めてなので、参加表明の〆切を長めに設定した(が、これにより発行日までの時間が短くなった感は否めない)
・参加者や進捗の状況が直感的に分かるように、Googleスプレッドシートを用いて情報を管理・整理した
・個人誌の完成イメージが掴めるように、サンプル代わりとして、山内リリの同人誌を2月中に完成させてDiscord内で公開した
・同人誌のデータを作りやすくすることを目的として、山内の同人誌を元にし、小説用の縦書き本文テンプレート、台割表テンプレートを配布した
・進捗が一目で分かる画像を配布した
・Googleスプレッドシートでの進捗状況の確認を15日ごとに行なった。また、参加者全体に向けて随時アナウンスをした
・全ての原稿を着実に回収するため、必要に応じて編集者が原稿の執筆を補助した
・各巻の感想を送るためのGoogleフォームを11個作成し、選択肢をチェックするだけで気軽に感想が送れる仕様にした(長文が書ける自由記述欄も設けた)。また、各作者がGoogleフォームと紐づけられたGoogleスプレッドシートによって感想を閲覧出来るようにした

【課題】
・雑談掲示板(テキストチャンネル)内でスレッドを乱立するのではなく、『創作ティータイム』(同人誌)のためのフォーラムチャンネルを作成し、フォーラムチャンネル内でアナウンス、進捗状況の確認、ファイルの提出等を一元管理する
・セブンイレブンのマルチコピー機で画像ファイルをまとめて印刷する場合、一度に32ファイルまでしか選択できない。画像ファイルのまま印刷する場合は、原稿を32ページ以内に収める
・発行者や編集者の負担を減らすための工夫が必要である
・執筆者や読者が楽しめるコンテンツを提供するために、更に入念な準備を行なう必要がある
・企画の立ち上げから原稿の〆切までの時間にもう少し余裕を持たせる